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6月17日 内申書って・・???




今週も、番組をお聴きいただき

ありがとうございました。

今週は、 ピンクのぞう さん からのご相談でした・・・

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安藤先生こんにちは! 私は中学生の子供が二人います。

公立高校入試は、内申書が大切、ですよね。

子どもたちには希望の高校があり、 それには高い内申点が要ること、

本人たちもわかっているため、日々頑張っています。

が、他の親御さんたちといろいろ話す中で、

「中学校によって内申点の付け方が違う、厳しいところもあれば緩い(甘い)

ところもある」ようなことが分かってきました。

三重県中のいろんな市町の中学生が、一斉に同じ高校を真剣に受験するのに、

点数の差が、中学校によって、または先生によって「異なる」というのは、

ちょっと腑に落ちないな、と思います。

この「内申点」っていったいどうなっているのか。。。

安藤先生から、「解説」していただけないでしょうか。宜しくお願いします。

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安藤先生からのアドバイスです♪

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通知表はかつて、「相対評価」と言いまして、「5」は全体の7%、

「4」は全体の14%・・・みたいなパーセントで決まってました。

しかし今は「絶対評価」と言いまして、割合ではなくて、

その子ができていれば「5」、出来てなければ、まあ、「4、3・・・」

となります。

学校の先生方は、この評価の研修っていうものもしっかり受けてます。

しかし、誤解を恐れずに言いますと、様々な問題があることも事実だと思います。

例えば、「主体的な姿勢とか積極的な取り組み」といった項目も、

「とにかく手をたくさんあげたらもうそれは主体的だ」という評価となる、

これは、手を上げる上げないは その子の性格によるものなのに、

手を上げない子はやる気がないというような

短絡的な見方をされがちであったりとか、

子供たちの周りでもよくささやかれていることは、「あの先生に気に入られたら

5がつく」、「気に入られるかどうか」「○○先生は甘い」「○○先生は厳しい」

「○○先生の部活の子には甘い」・・・これは、子どもたちが勝手に言ってるのかも

しれません。しかしですね結局はいつもなくならずに存在してるって言うことは

やっぱり評価に対するフィードバックが不十分なのかもしれません。

やはり、「こういう理由でこうなんだ」っていうことが

きちんと説明できるかどうか、それが不十分である以上、

どうしても本当によろしくないことですけども、

例えば、子供が大人の顔色を見て忖度するという状況が生まれたり、

なかなか自分を出せなかったりするわけです。

私はかつて三重県の高校入試選抜制度の検証会のメンバーでもあったんですけれども

通知表自体が進路に大きく影響があるということに

一つの限界があると思いますね。

評価はどうしてもしなくちゃいけないのに、するにしても、

それがその子の人生を決める大事な指標になっていくと、

そうすると、その先生の見方考え方で、その子の一生が大きく変わってくる

というのは、それはさすがに無理があるんじゃないかと思い、

以前、そのことを私は発言しました。

実際に広島県では、進路指導に内申書をずっと使ってたけど

もう廃止にしました そういう県もあります。

でもですねこのことを私は実は三重県でもかって言いました 。

「無理があるんじゃないか」と。

しかし現場にはこういう意見もあるんですね。

「内申書通知表がないと生徒が言うこと聞かなくなる」

しかし、それは評価する側が、内申書を評価の通知表というものを、

まるで脅しのように使ったりとか、 進路を人質に取られてるかのような思いを

子供たちにさせてしまうというのは、

そういうようなところで通知表っていう問題というのは

僕らずっと前からある問題ですけども、いつかどこかで

きちんと見直しをしなきゃいけない、そういう時期が来てるように

そういうふうに思います。

三重県の場合、公立高校入試の進路に必要な内申書は、9教科の合計です。

しかしこどもたちは個性があるので、ある科目はとても得意、

この教科はとても苦手・・・があっても仕方がないですよね。

それは個性ですから。

しかし、基本的には9教科全部である程度のスコアがないと、

オールマイティを求めてるという現実があります。

今の時代は個性を育てる時代と言われてますから

この合計にこだわりすぎるっていうのもちょっと時代としては考えるべきですね。

あまりにも遅れている。

もう一つは・・・

通知表があるかなしかというのは、校長先生の権限なんですね。

日本全国を見渡すと、通知表がない学校もあります。

通知表がなかったら評価もしてもらえずにどうなんだ?となりますが

実の話、アンケートをとると、先生も生徒も非常にのびのびしていると、

先生も、評価からようやく解放されたと、

評価するのは本当に先生とて忍びないと、

そう言う思いもあったわけで 生徒ももちろんのびのびしている

・・・こういう風に、通知を無くした学校もあります。

そういうことも、地域に住む人々は知るべきことであって、

そして三重県のルールも 9教科合計で高校決めるっていうことも、

「このルールって本当に必要ですか」ということも声をあげていいんですね。

そういった意味ではこういうラジオを通してとかでも

こういう現実を知って頂くことは重要だと思います。

どちらにしろ、不透明で子供や親の納得感のないものが

子供の重要な進路指導にすべきかどうかって言うと

正直なじまない部分もあるんじゃないかなと思います。

もちろん全てが悪いわけじゃないですけど、その良し悪しっていうのを

考えるべきことでもあろうという風にも思います。

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