『 Focus on JAPAN 』⇒南スーダンの状況

みなさんこんばんは!ADのありさです^^*

週末の大雪で県内北部を中心に影響が出ましたね。

私の住む地域でも足首までずっぽり埋まってしまう程積もりました。

雪のピークは越えたようですが、明日の朝にかけて気温も下がります。

融けた雪による路面の凍結や山沿いでは雪崩など十分ご注意ください。

 

ではでは、今日の放送をチェックしていきましょう♪

 

 

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月曜コーナー  『 Focus on JAPAN 』

 

 

毎週、気になる「政治」「社会情勢」の話題をピックアップ。

分かりやすく解説しているこのコーナー。

三重大学人文学部の先生方に週替わりで担当して頂きます。

 

 

今日の担当は、『文化人類学』がご専門で三重大学人文学部 准教授の深田 淳太郎先生

お電話でお話を伺いました。

今日は、アフリカの南スーダンという国の現在の状況についてお話し頂きました。

12月から新たに「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」という新たな任務を帯びての自衛隊の派遣について大きな議論を呼んだことは記憶に新しいかと思います。

 

この南スーダンは、アフリカ大陸の東の中央部に位置します。

長年にわたる南北スーダン内戦が2005年に停戦した後、2011年7月に独立を果たした世界で最も新しい国だそうです。

もともとあったスーダンという国は、北部がエジプトの統治下にあってイスラム教徒が多く、南部がイギリスの統治下でキリスト教が多いという事で、独立以前から対立関係にありました。

その後、半世紀続いた内戦がようやく終わり、南スーダン独立となりますがまたその直後南スーダンの内部で分裂が生じ2013年から内戦状態が続いています。

現在の南スーダンの内戦の構造は、もっとも人口が多いディンカ族出身のサルバ・キール大統領と、それに次ぐ規模のヌアー族出身のリエック・マチャル前副大統領の間の権力闘争であると言われているそうです。

実はこのディンカ族とヌアー族は、深田先生が専門とされている文化人類学では大変有名で、

大昔からお互いの村を襲撃して牛やときには女性や子供を奪い合うような戦争が行われていたということが古典的な文献にも書かれています。

先生は、「北部スーダンとの独立闘争という時期には「南部」として力を合わせ戦っていたディンカとヌアーですが、独立を果たした後再び対立状況になるというのは、ある意味昔から繰り返されてきた戦争の焼き直しのようなところもあると言える」と話します。

 

とはいえ、単純に昔のままというわけではなく、今戦われている内戦で争われているのは「石油の権益」で、この戦いで使用されている武器は外国から輸入されてきた自動小銃や戦車なのです。

アフリカのこの地域は石油や金、レアメタルなどの鉱物資源が豊富。

スーダンからの独立にしても、北部からすれば油田の多くが南部にあるため独立を認めるわけにはいかないというところが大きかったといいます。

もともとは欧米の大企業が油田の権利を持っていましたが、20世紀後半の長引く内戦で産油が停止。

彼らが手を引くと今度は中国やインドが進出し、1999年には内陸部から紅海沿岸部までの長大なパイプラインを敷設して産油が再開されるように。

これで南スーダンが独立するとなると、そこで誰が権力を握るのか、その権力者とつながっているのはどこの国かというのは、大きな利益を左右することになります。

 

このような背景から南スーダンでは、2013年から大統領側の政府軍と反政府軍の間で激しい内戦が戦われるようになり、このままでは住民の大量虐殺が生じかねない危険な状況だという事で、「住民の安全保護」という目的で各国の軍隊が派遣され、平和維持活動PKO活動を行っています。

ポイントは、国連としては「危険だから」軍隊を派遣しているということだそうです。

日本の部隊は2011年から南スーダンに派遣されていて、国連の活動拠点の敷地を整備したりインフラ整備などを行っていました。

この派遣隊に、新たに12月から「駆けつけ警護」と「宿営地の共同防護」という任務が加わりました。

自衛隊の活動地のジュバ近くで、他国のPKO部隊やNGO関係者などが武装勢力から襲撃を受けたときに、それを守るために武装して警護を行うというものです。

 

そもそも日本からのPKO活動への参加は、簡潔にいうと「戦闘地域には行かない」というのが原則があるのですが、ジュバはどう考えても内戦状態で戦闘地域ではないか?国連が「住民保護」の観点からPKO活動を行っているのは危険だからなのでは?という点だと深田先生。

昨年暮れ、国連の安全保障理事会では南スーダンへの武器輸出禁止を含めた経済制裁が提案されたのですが、日本はこれに賛成しませんでした。

これを認めると、「危険」だと言っていることになり、PKO部隊を派遣できなくなるからだそうです。

結果、この制裁は決議されず、武器はこれからもジュバに入ってきて自衛隊の活動地の危険度は高まっていく・・・と先生。

 

国際協力の中で、今後日本がどういう姿勢を取るべきかということは議論していく必要があり、現在の枠組みで自衛隊に新たな任務を付与して派遣するというのはだいぶ無理があると言わざるを得ない、そう話す深田先生。

この内戦が、南スーダンに民族対立を仕立てあげ利用する先進国側によって引き起こされている、という構造自体を少なくとも私たちは知っておくべきですね。

 

深田先生、ありがとうございました!

 

 

 

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いかがでしたか?

今夜も暖かくしてお休みくださいね。

それでは、EVENING COASTERまた明日夕方17時です!

聞いて下さいね♪