三重映画さんぽ『映画監督 小津安二郎展 ~小津安二郎の足跡を辿る~』

 

三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている「三重映画さんぽ」。

今回は6月21日(火)~26日(日)まで、松阪市文化財センターで開催される『映画監督 小津安二郎展 ~小津安二郎の足跡を辿る~』について、松阪市教育委員会事務局文化課の向井さんにご紹介いただきました。

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世界的に有名な小津安二郎監督は、9歳で東京から松阪に住まいを移し、青春時代の約10年間を過ごしました。

松阪市愛宕町には「小津安二郎青春館」があり、青春真っただ中の小津青年にスポットをあて、監督の青春時代を彷彿させる品物や関係写真などで当時を再現しています。 また、飯高町には「小津安二郎資料館」があり、映画界に入る1年前、代用教員として飯高町宮前にある尋常小学校に赴任していた頃の思い出の品々が展示されています。

今月開催する展示は、小津安二郎の足跡を辿るとサブタイトルに付けているように、若かりし小津安二郎に影響を与えた小津家の展示を主としています。

松阪市文化財センターでの小津安二郎監督の展示は3回目になりますが、松阪商人としての小津家のなりわいと暮らしぶりなど小津監督を取り巻く環境、つまり小津安二郎監督のルーツを紹介しています。

具体的には、松阪市にあった長井家という商家が小津安二郎の叔母の嫁ぎ先で、江戸・東京に店を構えた豪商だったことから、14代当主・長井直雅は能に凝り、小津監督も能好きであったのは、その叔父の影響があると思われますので、長井直雅の能楽関係の資料を展示します。

小津安二郎監督の映画「晩春」には笠智衆と原節子が能を見る場面があったり、笠智衆への演技指導の際、「一枚の能面は、体の動作によって、悲しい顔にも、楽しい顔にも見える。能役者のように演技せよ」と、言ったこともあったそうです。

他には、小津家と取り引きのあったお店の領収書の展示も行い、当時の商店名や内容から小津家の生活を垣間見ることができます。 また今回は、津市で今も活躍されている手描き映画看板職人である紀平昌伸さんが描かれた、小津監督の肖像画や小津映画の場面などの看板を展示し会場を盛り上げます。

さらに今回、特別企画として、小津安二郎監督の映画「彼岸花」「お早よう」「秋日和」の撮影と「生きてはみたけれど」に携わられ、現在、日本映画撮影監督協会理事長である兼松熈太郎さんをお招きし、小津監督の撮影現場での様子などをお聞きします。 聞き手には、近年、新進の小津安二郎研究者として活躍されている、東京工業大学助教の宮本明子さん。 宮本先生、小津安二郎青春館の佐野館長と地元の小津安二郎研究者との座談会も期間中に行います。

『映画監督 小津安二郎展 ~小津安二郎の足跡を辿る~』

日程:6月21日(火)~26日(日)午前10時から午後4時

会場:松阪市文化財センター 入場料:無料

兼松理事長のトーク:6月25日(土)午後1時~2時

座談会:26日(日)午後1時~2時

※トーク及び座談会は申込不要で、定員は先着50人

問い合わせ先:松阪市教育委員会事務局文化課 電話0598-53-4397 /小津安二郎青春館 電話0598-22-2660 

 

山上和美でした♪