三重映画さんぽ『彼岸花映画祭』

 

毎月最終火曜日は、三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている「三重映画さんぽ」のコーナーです。

今回は、10月9日(日)三重大学三翠ホールで開催される「第2回彼岸花映画祭」の話題です。

お話は実行委員 岩間知之さん(写真向かって左。右は大杉さん)です。

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彼岸花映画祭は世界的に有名な三重県ゆかりの小津安二郎監督を顕彰しつつ、映画を通じた文化振興に貢献しようと昨年から始めたもので、開催のきっかけは、昨年3月津市の観音寺境内に、多くの小津ファンによって小津安二郎記念碑が建立された事によります。

次世代の方々に小津安二郎監督は三重県にゆかりがあるのだよ。津市にもゆかりがあるのだよと伝えていきたく、この映画祭を続けています。 昨年の第1回映画祭では女優の司葉子さんを招いて、小津映画「秋日和」を上映しました。

彼岸花という映画祭名は、小津監督の家族にちなんでいます。 小津安二郎記念碑を津市に建立したのも、小津監督の祖母や母が津市の人間であることから始まります。 母の実家は津市の宿屋町、今のフェニックス通りと大門アーケードが交差するあたりにあり、そこによく小津監督は遊びに行き、母方の母、つまり祖母が小津監督を迎えてくれました。

昭和2年、23歳の小津監督が久居の陸軍33連隊へ短期入隊した時、「軽便」鉄道に乗って岩田橋で降り祖母の家に遊びに行きました。大層ご馳走を食べ、翌日、祖母は方言で「またおいなされ」と見送ってくれました。帰り道、軽便鉄道の窓から小津は彼岸花を見つけ、その印象が心に深く刻みこまれ、次のような句が浮かびました。

『おいなされ 又このつぎに 彼岸草』

この時の記憶から31年後の小津映画の題名が「彼岸花」と名づけられたと語られていて、私たちはこのエピソードを大事に思い、彼岸花映画祭と名付けました。

 

第2回彼岸花映画祭は2部構成になっています。

第1部は「映画音楽の名曲コンサート」。 三重大学室内オーケストラの有志による参加で、小津映画「秋刀魚の味」に使われた「紅葉」のほか、「星に願いを」「となりのトトロ」など、映画音楽の名曲を演奏いただきます。

第2部は昨年9月に亡くなられた原節子さんを偲び、原さんの名演技が光る『東京物語』を上映します。 本作は、英国映画協会発行の『サイト・アンド・サウンド』誌の2012年の「映画史上最高の作品トップテン」で堂々の一位になった名作です。今回はデジタルリマスター版で上映しますので、大変綺麗な映像で感動をお届けできます。

是非、お越しください。

 

【第2回 彼岸花映画祭】

日程:10月9日(日)12時30分~

場所:三重大学三翠ホール

入場無料、事前申し込み不要

お問い合わせ先:彼岸花映画祭実行委員会 電話080-4547-2015

 

山上和美でした♪