三重映画さんぽ 東アジア『名作戦争映画』上映会

毎月最終火曜日は、三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている「三重映画さんぽ」のコーナー。

今回は、11月3日(木曜・文化の日)四日市市文化会館で開催される東アジア『名作戦争映画』上映会の話題です。

主催する三重映画フェスティバル実行委員会委員でシネマ游人yokkaichi代表の中村藤生さんにお話をお伺いしました。

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何故、東アジア『名作戦争映画』の上映作品を選ばれたかというと、四日市では昨年3月に1975年のベトナム戦争末期にオール現地ロケにより撮影された幻の『ナンバーテンブルースさらばサイゴン』を40年後に封切上映出来ました。

脚本・監督は四日市出身の長田紀生氏であったことからご縁が生まれました。

午前のベトナム映画『Don't Burn』は、作品の原作となった「トゥイーの日記」を燃やしてはいけないからきています。

日記の作者のダン・トゥイー・チャムは野戦病院で献身的に治療にあたる若き女医で、その豊かな情感と平和を希求する思いが《きのう、平和の夢を見た》という言葉で記されています。

映画は戦場で殉職した主の日記をアメリカに持ち帰った米軍士官から、30数年後トゥイーの母親の下に帰るまで、関わった人々の姿がよく描かれています。

脚本・監督はベトナムのダン・ニャット・ミンで、監督積年の思いが幾重にも重なった映画です。

2009年アジアフォーカス福岡国際映画祭で日本初公開され、東海地区では初公開だと思われます。

上映会へは昨年と同じく北中勢地域に在住のASEAN出身のみなさんをご招待します。

午後は日本映画『軍旗はためく下に』の上映です。

1972年にアジアの一員日本で制作・公開された作品で、戦闘シーンを再現することに主眼を置いた《戦記もの》ではなく、戦後二十数年を経過し、経済大国の道を歩み始めた1970年代にドラマの主軸は据えられています。

今なお残る悲惨な戦争の傷跡をえぐるとともに、現代の平和を見つめなおそうとする異色の反戦映画です。

直木賞受賞作品となった結城昌治の同名小説の映画化です。

監督、深作欣二と四日市出身の脚本家、長田紀生は一人の戦争未亡人が、戦場で処刑された夫の最期を知りたいと真実を追求する姿を通じて、戦後の日本をスクリーンに浮かび上げています。

出演は、未亡人役に左 幸子、夫の日本陸軍軍曹に丹波哲郎他、名脇役を配して人間を描ききっています。

戦後70年が過ぎましたが、この戦後と現代の状況がどうつながっているのか。改めて戦争がもたらすものは何か、平和とは何かを、この2作品から皆さんに感じ取っていただけるのではないでしょうか。 そして、深い繋がりを持つアジアの人々がそれぞれの視点でスクリーンから受ける思いを交感できればと思います。

上映後、長田紀生氏のトークがあります。

 

<東アジア『名作戦争映画』上映会>

日程:11月3日(木・文化の日)   

    午前の部10:00~『Don't Burn』 (トゥイーの日記を燃やすな)    

    午後の部13:00~『軍旗はためく下に』と脚本家長田紀生氏のトーク

場所:四日市市文化会館第2ホール

チケット:午前の部 入場無料      

     午後の部 ワンコイン500円      

チケットの取扱い:四日市市文化会館窓口 電話059-354-4501

お問い合わせ:シネマ游人(ゆうと)yokkaichi事務局 電話059-365-9578

 

山上和美でした♪