インタビュー 第8回 浅井農園 浅井雄一郎さん

今日を頑張るあなたに送るインタビュー。

県内で活躍されている方々のお話をお届けしています。

今朝は津市にある株式会社浅井農園 代表取締役 浅井雄一郎さんです。

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浅井さんは1980年9月2日、津市出身。

大学時代、バックパッカーで世界中を旅し、世界の農業を見学。卒業後は、東京にある農業関係の経営コンサルティング会社に勤め、2007年三重に戻り、花木の生産・卸をしている家業を継ぎますが、需要が減っている現状を見て何か新しいことを始めなければと、創業101年の年にミニトマトの生産を始めました。 ミニトマトの生産は今年で9年目、今では日本トップクラスの年間700トンを超える生産販売量で、150人の雇用を生み出しています。

とは言え、浅井さん、実はトマトが苦手だったそうです。ですが、ある時、たまたま知り合いの静岡の会社の人が作っていたトマトを食べた時、 めちゃくちゃ美味しく、これならトマト嫌いな人でも食べられるんじゃないか、その時の感動というか衝撃を覚えていて、帰って来た時に、ふとトマト作ってみようと思って、作り始めたそうです。

花木の栽培はしているとは言え、農業に関しては完全に素人。でも、その時は必死で、このままだったら100年続いた会社も恐らくなくなってしまうという危機感もあって、トマトを作るということでは、とにかくやりきるしかないという覚悟で臨んだそうです。結構な借金もして、成功するまでやり続けるというような気持でやったそうです。

元々の植木の事業というのも、非常に苦しい中でやりながらだったので、昼間は植木の仕事をして、夕方から空いた時間を使ってトマトの管理するような先の見えない状況からスタートでした。 しかしそんな時、津市にあるマルヤスの社長さんが、試作品で作っていたミニトマト食べてくださり、「これはうまい!これならもっと作れ」と後押しをしてくれました。それが契機となり、気合い入れて作り始めたそうです。

マルヤスの社長をはじめ、三重大学の西村訓弘先生や、今、松阪で一緒にやっている辻製油さんなど、地元の熱意のある偉大な経営者の方が多々や先生が応援してくださり、今に至ります。わずか9年前の話です。

浅井さんは農業経営の傍ら、三重大学大学院地域イノベーション学研究科においてトマトのゲノム育種研究に取り組み、今年3月に博士号を取得されました。 トマトの生産だけでなく、品種から生産管理技術、流通販売まで、独自のサプライチェーンを構築しながら生産規模拡大に取り組んでいます。

浅井さん曰く、三重県の農業には可能性がある、と。 実は、三重県はあまり農業が盛んな強い県ではない。ただ環境的に非常に恵まれていて、日射量も多く、気候的も非常に安定している。名古屋や大阪といった消費地も近い。 だからこそ、チャンスがある。特に三重県南部、農地が空いてきている、担い手がいない地域もある。 だたいきなり僕みたいに、植木からトマトへ移行すると意外に苦しい部分がある。どこかで研修や、農業ってどんなもんなんだろうと農業のことを知ってみて、俺にもやれそうだと思ったらやってみるのもいいんじゃないか、ということです。

◆浅井さんの好きな言葉◆

「学ぶとは心に誠実を刻むことであり、教えるとは共に希望を語ることである」

自分自身に自信がなくて不安な社会人1年目の時、先輩から言われたそうです。 後輩や、僕らより若い20歳代の農業者に伝えていきたい、とのことです。

 

インタビュー、次回は12月13日(火)にお届け予定です。

 

山上和美でした♪