インタビュー 第12回 辻製油 辻保彦さん

 

今日を頑張るあなたに送るインタビュー。 県内で活躍されている方々のお話をお届けします。

今朝は松阪にある辻製油株式会社 会長 辻保彦さん。

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1943年松阪市生まれ。

近畿大学理工学部卒業後、同大学大学院に進むも、家業継承のため離籍し、1968年辻製油入社。

国内トップクラスの生産量となる植物油の生産販売、高純度粉末レシチンの工業的精製の日本初の成功、三重大学との産学連携事業、地元地域の経済活性化と雇用促進を目的としたミニトマトの植物工場'うれし野アグリ株式会社'の建設、また御浜・熊野地域の地域振興施策として、地元特産品の柑橘を使った事業に参画されています。

辻さんは中学3年の頃、大変な思いをされました。

高校入試を目前に控えたある夜、入浴中に突然倒れ、急性腎炎で入院されたのです。

闘病生活は長く続き、しかも、同い病で入院している同世代の子が命を失ったことを知り、死ぬことの怖さと、命の尊さを痛感しました。

生きなけれなならない。生きるための努力をしなければならない。

 

それ以来、生きることに必死になり、何とか病を克服。

高校時代、運動は見学という暗い青春時代を送りましたが、大学に入り体力も回復、登山にも挑戦するなど青春を謳歌されました。

 

若い頃の辻さんは、経営者として厳しいタイプでした。

 

しかし、50代の頃、気が付きました。

会社が存続するのは、地域の方々があってのおかげだ、と。

 

さらに、中村天風という思想家の勉強会に参加して、学びました。

一番大切なことは「人を思いやるということ」

 

その教えは、辻さんの座右の銘です。

「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、そして正直、親切、愉快に生きる」

家族を、そして仲間を大切にし、会社の業績もさらに発展していったと言います。

 

70歳を超えて、会長になられたこれからの辻さんは?との問いの答えは、

「生涯現役。倒れるまでやる。人生は1回しかないから」

 

命の尊さを身をもって経験した辻さんだからこその人生観なのかもしれません。

 

山上和美でした♪