三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている「三重映画さんぽ」
今回は、津市で生まれ、戦前戦後を通じ映像作家として活躍された金子安雄さんの
生誕110年を記念した上映会について、
三重映画フェスティバル実行委員会会長 田中忍さんにお話いただきました。
金子安雄さんは、明治40年(1907年)2月21日に津市の旧宿屋町で生まれ、
昭和63年の1月18日に永眠されました。
生前、津市東丸之内で"おしゃれの散歩道カネコ"を営まれ、
肩にカメラをかけ、よく津の町を歩いていらっしゃいました。
写真展の審査員を務められていることもあり、
晩年は写真家としてのイメージが強かったのです。
写真の世界では、戦前戦後を通じ数々の賞に輝きました。
また、映像作家としても、同じく戦前戦後を通じ活躍され、
文部大臣賞をはじめ国内外での受賞作が10数本ほどあります。
とはいえ、映像作家といっても、商業ベースの映画を監督されていたわけではなく、
金子さんの作品は白黒でサイレントの短編が多いのですが、
たとえば風や電車など物の動きをリズミカルに表現した作品など、
当時の8ミリ、9.5ミリ、16ミリフィルムで、どのような映像表現ができるかを駆使されています。
制作された映画もコンテストには出品され受賞歴も多いのですが、
受賞されても、その結果が、今のように広く報道された形跡がありません。
ただし、金子安雄さんの名前は業界の中でだんだんと広まっていったようです。
この8ミリや9.5ミリなどで撮影された映画は小型映画と呼ばれ、
大正12年ごろから日本で普及し出したと言われます。
小型映画愛好家が増え、国内外のコンテストも頻繁に開催されています。
昭和13年には、日本8ミリ映画聯盟という団体が立ち上がり、
その発起人の一人に金子安雄さんがいます。
その他の発起人には、当時、松竹で映画監督をしていた五所平之助、
津市の川喜田半泥子の息子である川喜田壮太郎の名前も見られます。
金子さんの活動については、これからさらに調査が進められます。
「金子安雄生誕110年記念上映会」
日時:11月23日(祝)午後2時~
場所:津センターパレス地下1階「津市市民活動センター 研修室」
内容:金子安雄さんの短編映画を10本、
1981年に開催された「金子安雄:小型映画の世界」の模様が収録されたビデオを上映予定
※これらは、津市の郷土資料となっており、
今回、津市教育委員会の協力のもとで36年ぶりの金子作品の上映となります。
入場:無料
定員:先着50人
問い合わせ:三重映画フェスティバル実行委員会のホームページ
山上和美でした♪