【赤目四十八滝】保全活動を始めて20年。蛍に命の火を灯す、吉岡正夫さん。

2021-05-21(金)マジックアワー

Weekendリポート

今年は、梅雨入りがすごく早かったですね。

 

いま名張市では、自然豊かな赤目の里山に

「蛍」が舞い始めているということで

 

今回のリポートは、名張市内の河川などで

蛍の保全活動に取り組んでいる

 

NPO法人「赤目四十八滝渓谷保勝会」

環境保護推進員の吉岡正夫さんに

お話を伺いました。

 

 

赤目四十八滝の蛍

赤目四十八滝内の蛍は、場所がかなり上流の為

出現するのが6月後半以降。

発生数も少なく貴重なんだそう。

 

また赤目四十八滝は、

山の「ヒメボタル」主体で

七夕の頃から飛び始めます。

 

川の「ゲンジボタル」は

名張市内の河川がメインでてがけられており

 

他県を含めると、昨年は3万匹の発生。

山のヒメボタルは1.8万匹発生しています。

 

 

名張の「蛍」の歴史

全国的には万葉集 枕草子の記録ありますが

江戸時代、名張は江戸の藤堂家に

2度ほど「蛍」を献上した記録が残されています。

 

また観光誘致で、大阪道頓堀川に

橋の上から1万匹を飛ばしたなど一大産地でしたが

昭和40年代から高度成長期に

河川汚染 農薬等にて、絶滅近くなりました。

 

 

蛍の保全活動

赤目四十八滝の渓谷内の

パトロールなども行う吉岡さんは

 

個人で蛍の保全活動をされています。

山10万㎡のヒメボタルと

川30kmのゲンジボタルの二本立て。

 

年間を通しての活動で

その都度、活動内容は変わり

今は蛍の飛び始めの状況確認をしていらっしゃいます。

 

 

保全活動をはじめたきっかけ

今から20年前、吉岡さんが会社勤めの頃

 

「自分の生まれてきた証し

存在感を後世に残したい

その為に何をしたらよいか」との思いから

 

最終的に「蛍」の保全活動の取組に

たどり着きました。

 

 

50歳から始めた蛍の保全活動

50歳で活動をはじめ、失敗できない年齢だと感じ

かなり勉強したという吉岡さん。

 

後世他の人が手を差しのべなくても

自然に繰り返すまでとの思いから

20年が経過して

ようやく予定に近いところまで来たんだそう。

 

失敗しないコツは

「エサが主で、蛍は付属品」の考え。

 

エサのカワニナ カタツムリが

繰り返し生きていける環境づくり。

これにかかっているといいます。

 

決して急がない。

エサも蛍も自然育成。

 

山のヒメボタルは、もう少し年数がかかりそう

だとお話しくださいました。

 

いま県内外の、さまざまな自治体から

依頼のお話があるそうです。

 

 

 

 

「ゲンジボタル」「ヒメボタル」の特徴

ゲンジボタル

[大きさ]2cm

[食べ物] カワニナ

[光る時間] 夜8~9時過ぎ

[光り方]  2~3秒に一回長く

[光る色] 黄緑

                    

ヒメボタル

[大きさ] 5~6mm 

[食べ物] カタツムリ

[光る時間] 夜11時~翌日1時

[光り方] 0.5秒に1回ピカッと短い

[光る色] 金色

 

 

おわりに

文化昆虫と言われる蛍。

見られる期間は短いですが、大多数の方々

特に女性に支持されているそうです。

 

心のいやしになる ひとときを

是非見てもらえたらと

吉岡さんは語ってくださいました。

 

最後に吉岡さんの気持ちを一句

添えてくださいました。

「夏は夜  環(めぐ)るときめき  光(こう)の舞い」

 

すてきな一句ですね~~!!

 

みなさんのお近くで生息している「蛍」を、

また、赤目四十八滝にお越しの際には

吉岡さんが保全活動されている「蛍」に

ぜひ癒されてはいかがでしょうか。