インタビュー 第19回 垣内章伸さん、志ほみさん 

今日を頑張るあなたに送るインタビュー。
県内で活躍されている方々のお話をお届けします。

音楽ユニット「RAMO」さん、ご存知ですか?

自閉症の息子さんとお父さん、垣内章伸さんが組んでいます。

垣内さんの二人の息子さんは共に自閉症です。
今朝は垣内章伸さん、志ほみさんご夫婦のお話です。

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父)自閉症という言葉は知られていますが、
  間違えた認識でとらえている人多いと思います。

  自閉症とは生まれつきの脳の機能障害、
  コミュニケーション苦手な人たちの事で、
  本当の意味を分かってもらうだけで、
  その人に接する気持ちが変わってきます。

母)子どもたち、私たちは、
  障害を持っているから仕方がないとは思っていません。
  子どもたちは日々努力して、社会に少しでもなじもうと努力しています。

  社会がどれだけ子どもたちに寄り添ってくれるかが、
  子どもたちの生きやすさにつながるので、
  そんな社会になるよう願っています。

父)子育てを振り返ると、子どもが小さい時は'多動'だったので、
  まともに手をつないで歩くことが出来ませんでした。
  当時は、手首をつかんで、道をひきづるように歩いていました。

  でも、その子のスピードで必ず人は成長すると感じた瞬間があったんです。

  いつの間にか、手と手をつないで歩ける日が来ました。

  その時の嬉しさは鮮明に覚えています。

  僕たちには、意思の疎通が図れていることだと、
  子どもたちが教えてくれたんです。

  一般的には当たり前だと思うことも、当り前じゃないなと、
  その積み重ねで生きています。

母)父の歌『螺旋』の中にあるですが・・・、

  私たちが伝えたいこと、すぐに結果出てこないこと多いですが、
  今、下の子20歳、上の子23歳で、ようやくその芽が出だしたと感じます。

  小さいお子さんを持って、自閉症のお子さんをもって
  パンパンになっている若いお母さんお父さんに言いたいです。

  砂漠に水をやっているような感覚になりますが、
  いずれは笑える時が来ます

父)僕らが体感したこと。
  障害を持っている人と接していると、
  かたくなな気持ち、偏った心をほぐしてくれる。
  耕してくれるような存在です。

  広く浅くでいいので、そういう人たちと時間共有して、
  居心地の良さを体感してください。

母)私たちも、今は他から見たら楽しそうにやっているねと思われます。
  確かに楽しいです。

  でも、私たちも、「どうする?」という時期も何回もありましたし、
  お母さんを辞めたいと思った時も何回もあります。

  でも、今、本当に良かったなって思っています。

  2人とも自閉症だけど、自閉症で良かったかなって思っています。

  言葉の暴力、殴ったり蹴ったりの暴力も嫌ですが、
  一番の暴力は無関心だと思います。

父)僕が道をはずさなかったのは、子どもたちのおかげです。

  人間は思いがあると形にできます。歌であったり、絵であったり。

  それぞれが、いろんな形で世の中に残してください。

  それを見た人たちの中に、理解しれくれる人は絶対います。

垣内さん一家について書かれた本が明石書店から出ています。

タイトルは『イマイキテイル 自閉症兄弟の物語』

著者は増田幸弘さん

垣内さん一家の歩みを詳しく知っていただけます。

インタビュー、次回は11月7日の放送予定です。
お楽しみに。

山上和美でした♪