【三重県農業研究所】「ミツバチ」と、ミツバチの補完的役割をする「ハエ」

2021-02-25(木)ゲツモク・MIEリポート

 

 暖かくなって、梅やカワズザクラなど

春のお花も咲いてきて

メジロやミツバチの姿も

見かけるようになりましたね。

 


「ミツバチ」と言えば

いちご狩りに行くとハウスの中でも

見かけますし

 

おいしい苺はもちろん

私たちの毎日の食事に欠かせない

野菜や果物の果実を実らせるための

受粉を行なってくれています。



 今日は、そんな「ミツバチ」と

「ミツバチ」と同じような

働きをしてくれる虫について


詳しいお話を「三重県農業研究所」

小栗 速斗(オグリ ハヤト)さんに

伺いました。

 

 

三重県農業研究所

「三重県農業研究所」は

水稲やイチゴなどの新品種の開発や

様々な農産物の生産技術についての

試験研究を行っている場所。

 

小栗さんは、その中でも

イチゴの新品種開発や生産技術の

研究をされており

 

三重県では、今までに全国で栽培されている

「かおり野」や「よつぼし」といった品種を開発。

 

現在は、その次の

新しい品種の開発を行っていらっしゃいます。

 

 

 

ミツバチ

ミツバチは暖かくなると多くの花に訪れ

蜜や花粉を集めるようになり

 

その際に、ミツバチの体に付いた花粉が

花のめしべに付くことで受粉されます。

 

イチゴ農家ではハウスにミツバチの巣箱を入れて

ミツバチの助けを借りながら

イチゴを受粉させて果実を生産しています。

 

三重県は養蜂が盛んで、

イチゴ農家は養蜂家からミツバチを借りて

イチゴ生産に使用。

 

ミツバチがいないと

イチゴが生産できないほど

ミツバチは大切な存在です。

 

しかし、ミツバチも生き物なので

弱いところもあります。

 

例えば、活発に活動する温度が

18℃~25℃程度で寒くなると

巣箱に閉じこもってしまい、

紫外線がないと訪花しにくかったりします。

 

 

 

ミツバチの

補完的役割をする「ハエ」

ミツバチの補完的な役割を果たすために

最近使われているのが「ヒロズキンバエ」。

 

「ヒロズキンバエ」とは、

日本でよく見る「ギンバエ」です。

 


ハエと聞くと良いイメージを

持たないれないと思いますが

 

現在商品化され

「ビーフライ」という商品名で

クリーンな環境で生産された

清潔な蛹が販売されています。

 

 

 

商品名「ビーフライ」

「ビーフライ」の特徴は

活動できる温度が10℃~35℃ととても広く

 

飛ぶのに紫外線を必要としないため

寒い季節や天気が悪い日でも

受粉活動をしてくれます。

 

 

「ビーフライ」は

蜜を求めて花に訪れるため

 

イチゴのように

蜜を持つ花には訪れますが

 

トマトのように

蜜を持たない花には訪れないため

使える植物が限られます。

 

また、「ビーフライ」は

寿命が2週間程度と短く

 

ミツバチと異なり巣箱で繁殖しないので

定期的に新しい「ビーフライ」を

導入していくことなどが特徴です。





おわりに

三重県は養蜂が盛んな地域なんですね。

 

また、「ハエ」というと

良いイメージがなかったのですが

 

クリーンな環境で育てられた「ビーフライ」という

 清潔な「働きバエ」もいるんですね。

少し「ハエ」のイメージが変わりました。

 

 

「三重県では、今の季節

昆虫の力を借りて

美味しいイチゴが生産されています。

 

是非皆さんにも

手に取って食べてもらいたい」と

小栗さんはお話されていました。

 

いまが旬の、美味しいものを

ぜひ味わってくださいね!