三重映画さんぽ『伊勢志摩地域で撮影された映画』

三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている「三重映画さんぽ

今回は、5月に開催される伊勢志摩サミットを記念し、「伊勢志摩地域で撮影された映画」について実行委員会会長の田中忍さんにお話いただきました。

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伊勢志摩地域で撮影された映画は、正確な記録はありませんが、劇映画で40数本ぐらいの作品名が挙げられます。

代表格としては「潮騒」。5回も映画化され、ヒロインをその時代の人気女優が演じています。特に、撮影時、人気が高かったのは吉永小百合さんです。映画が撮影された神島の皆さんが、「元気な間に吉永さんともう一度会いたい」とラブコールを送られ、3年前、吉永さんがそれに応えて49年ぶりに島へ来られたというお話は、まだ記憶に新しいところです。

伊勢志摩地域の映画で共通するのは海が描かれていることです。伊勢志摩国立公園に指定されているように、自然が素晴らしいので、それが映画の舞台にもなる理由のひとつになります。佐田啓二、高峰秀子が灯台守の夫婦を演じた「喜びも悲しみも幾歳月」は安乗崎灯台で撮影されましたし、三重県ゆかりの小津安二郎監督は、大王町波切で「浮草」を撮影し、スクリーンの中で映し出された自然の風景は、今も残っています。

ゴジラ」「ガメラ」という怪獣映画も三重県でロケされました。「ゴジラ」の第1作目は1954年に映画化され、初めてゴジラが登場するシーンが鳥羽市での撮影です。山の向こうからガオーとゴジラが現れ、人々の逃げるシーンが映っています。一方、ガメラは2004年に「小さき勇者たちガメラ」という作品が、志摩市で撮影されています。映画の冒頭で「ギャオス」、中盤に「ジーダス」という怪獣が人々を襲うシーンが撮影され、300人以上のエキストラが出演しています。

 最近は「校歌の卒業式」が志摩市で撮影されています。実際に閉校する中学校の最期の姿を地元の人が見つめ、お別れに母校の校歌を地域の人みんなで歌うという感動的な物語で、「ALWAYS 三丁目の夕日」をプロデュースされた志摩市出身の山際新平さんの製作による映画でした。

映画の撮影時に現場を見たりエキストラで出演したり、また映画館でその映画を鑑賞したりと、映画が地元で撮影されると、いろいろな関わり方が出来、皆さんの記憶に刻まれます。出来上がった映画は永遠に残りますので、映画を観るたびに、その記憶が思い起こされ、映画は皆さんにとって大事な宝物になります。これからも伊勢志摩はじめ三重県を舞台にした映画が増えていって欲しいです。

 

 田中さんは三重県総合博物館(MieMu)で「スクリーンの中の伊勢志摩」というタイトルで講演をされます。
 第1回「スクリーンの中の伊勢志摩」
   日 時:平成28年4月24日(日曜日)午後1時30分から午後3時まで
   講 師:田中 忍(たなか しのぶ)氏(三重映画フェスティバル実行委員会 会長)
参加費無料で、定員80人、往復はがきまたはメールでお申し込みください。締切は4月3日(日曜日)必着です。

詳しくは三重県総合博物館(MieMu)「伊勢志摩展講演会」係 電話 059-228-2283までどうぞ。

 

山上和美でした♪