今日を頑張るあなたに送るインタビュー。
県内で活躍されている方々のお話をお届けします。
今朝は、森本宏さんです。
1953年2月、伊勢市出身。
伊勢高校、名古屋大学理学部数学科卒業、
同大学院修士終了後、数学科の助手となり、
現在、名古屋大学名誉教授で、理学博士でいらっしゃいます。
Q、森本さんが感じる数学の魅力は?
A、小説を読むようなスリルとサスペンスがあって、
最後に光り輝く宝に行きついた感動が感じられる。
受験や学校の数学は答えがわかっていて、
それにたどり着く方法を習得する訓練のようなもの。
私が興味魅かれたのは、わけのわからない世界に数学者が来て、
どういうふうに解決していったか、
その結果どういう美しいものが得られたかということです。
難問が解かれるときは、
それまで誰も考えつかなかったイメージを持った人が解いていきます。
よく学生から聞かれるのは、どんなイメージを描けばいいか。
決して論理的ではなく、1枚の絵にできるような事。
答えはすぐに出ません。
だから私も悩んでいます。
フランスの数学者ポアンカレはずっと解けないと悩んでいて、
馬車に乗ろうと足を踏み台にかけた時に答えが出ました。
何かの時にふっと解けるものです。
解けるまでにもんもんと考え抜く、それが普段の生活です。
すぐ結果が求められる時代。
数学者はみな苦労しています。
私は凡人だから、さらに考え続けます。
投げ出さなかったのは
その先に、宝物があると期待できるから、
我慢して考え続けることができました。
Q、息の抜き方は?
A、バイオリンを弾いて心を鎮めるということです。
バイオリンは高校の頃に、友達の矢野隆嗣君にもらいました。
また高校の音楽の上村先生がバイオリンが上手いと聞き及んで、
教えてもらいました。
高校時代に2つの幸運が訪れて、バイオリンを習うことができたのです。
そのバイオリン(写真)はずっと修理し続けて、
いつでも弾けるようにしてあります。
楽器もすぐに結果が出ません。
私もバイオリンを習い始めて、1年間結果が出ませんでした。
なかなか上達しないので、近所の噂となったほどです。
バイオリンも数学も共通して言えるのは
自分が好きで、ただやりたいということ。
結果として、今、役にたっています。
世の中にはそういうことがあります。
結果を出すことも大事ですが、
自分の好きなことを、ただ好きだからという理由だけで続けることも
大事でなのではないでしょうか。
新生活が始まって1か月。
なかなか思うようにいかず、悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
すぐに結果がでることばかりではないので、投げ出さず、気長に頑張ってください。
山上和美でした♪