三重映画フェスティバル実行委員会のご協力によりお送りしている
「三重映画さんぽ」
今回は、昨年4月に亡くなられた
三重県伊勢市出身のアニメーション監督・高畑勲さんを偲び
生前、交流がおありだった
三重文学協会会長
全国小津安二郎ネットワーク顧問 藤田明さんに、
高畑監督の思い出をお話いただきました。
1994年、三重県で国民文化祭が開かれ
松阪市で監督の東映動画で活躍していた時代のアニメーション映画の
上映と監督のトークをしてもらって以来のおつきあいです。
この時のゲストに映画監督の吉田喜重さんもいました。
吉田は女優・岡田茉莉子さんの夫で、
若い頃は松竹のヌーベルヴァーグの旗手として活躍しましたし、
「人間の約束」「エロス+虐殺」などの監督作品があります。
また著書「小津安二郎の反映画」では芸術選奨文部大臣賞を受賞しています。
当時は実行委員でお二人のお世話をしていて、
電車の時間待ちで30分ぐらいあったのだと思います。
「疲れましたね」と控室で3人がごろっと寝っ転がって話をしました。
何の話をしていたかは、記憶がないのですが、
個性の強い両監督とざっくばらんな話が出来たのは貴重な経験でした。
その後、2003年の第1回三重映画フェスティバルのゲストにお招きしました。
その時に、この「巨匠たちの風景」という本を実行委員で作ったのです。
ここに「三重の思い出」を執筆いただきました。
文章には、国民学校1年の2学期まで津にいたことが書かれています。
拾い読みしますと
『伊勢で生まれた。2歳の頃父親の転勤で津市に引っ越した。
西堀端の旧武家屋敷を借りて住んだ。
家から近かったお城跡。経ケ峰への遠足。
松林を鳴らす阿漕ケ浦。伊勢電の鉄橋の恐怖...』とあり、
今も『赤福が好き』と書かれています。
高畑監督は、また父親の転勤に伴い岡山県へ引越しでしまうので、
三重県と関わりのあるのは8年ですね。
このように活字で、津市の思い出が残っているのは本書だけです。
この本は、三重県立図書館や市の図書館で読むことができます。
◆藤田さんが一番好きな高畑監督の映画作品◆
「ホーホケキョ となりの山田くん」です。
是非、DVDなどでご覧になってみてください。
山上和美でした♪