『 Focus on JAPAN 』⇒アメリカ大統領選挙

みなさんこんばんは!ADのありさです^^*

今日は月が大きく見えるスーパームーンですね!

でも県内はあいにくの雨模様で見る事は難しそう・・・。

明日はお天気回復するようで、今日より欠けはしますがいつもより大きなお月様が見られそうです。

気になる方は明日の夜、空を見上げてみて下さい♪

 

 

ではでは、今日の放送をチェックしていきましょう♪

 

 

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月曜コーナー  『 Focus on JAPAN 』

 

 

毎週、気になる「政治」「社会情勢」の話題をピックアップ。

分かりやすく解説しているこのコーナー。

三重大学人文学部の先生方に週替わりで担当して頂きます。

 

 

今日の担当は、『文化人類学』がご専門で三重大学人文学部 准教授の深田 淳太郎先生

お電話でお話を伺いました。

先週の火曜日、アメリカの大統領選挙が行われました。

結果は、日本の報道ではあるはずがないとされていた共和党のドナルド・トランプ候補が、民主党のヒラリー・クリントン候補を破り、第45代アメリカ大統領に就任する見通しとなりました。

トランプ氏は選挙で勝ちましたが、獲得した総票数をみるとトランプ氏の5916万票に対し、クリントン氏は5933万票と実はクリントン氏の方が上回っていました。

日本では、総理大臣は国会での議員投票で決まり、私達国民が直接総理大臣をだれにするか投票を行うことはありません。

これに対し、アメリカ大統領選でアメリカ国民は投票用紙に直接自分が支持する大統領候補の名前を書くので、単純に獲得票数が多い方が勝つと思いますが、実はそうではありません。

 

アメリカ大統領選で、大統領を選ぶ投票を行うのは、『選挙人』と呼ばれる人々なんです。

つまりアメリカ国民は、各州でこの『選挙人』あるいは『選挙人団』を選ぶ投票をしているのです。

直接大統領を選ぶのではなく、"間接投票"ということになり、この『選挙人』を何人獲得するかが勝負になります。

最終的に獲得した選挙人数は、クリントン氏が232名、トランプ氏が306名と大差がつきました。

獲得票数はクリントン氏の方が多かったのに、このような逆転現象が起こってしまうのは、『選挙人団』という独特の制度のためだと深田先生。

ポイントは選挙人団の"団"だと言います。

投票は州単位で行われますが、それぞれの州にはそれぞれの大統領候補に投票すると誓約した選挙人"団"が置かれます。

選挙人は人口に応じて配分され、ひとまとまりになった選挙人団を民主党・共和党がそれぞれ準備します。

そして投票を行い、獲得票数が多いほうの選挙人"団"がその州の代表としてまるっと大統領選挙の投票に行かせる、ということになるそうです。

いわゆる総取り方式で、勝てなかった州の票はまるっと死に票になり、獲得投票数と獲得選挙人の数は必ずしも一致しないというわけです。

 

獲得票数は直接結果に反映されないねじれ現象は、過去にも何度が起こっているそうです。

より多くの票を得た人物が大統領になるべきだという主張は、過去の選挙でも出ていて、今回もそういう声は多く挙がっていると言います。

大統領以外の州知事や国会議員などはアメリカでは直接投票。

なぜ大統領選という最も重要な選挙が、民意からズレが出るシステムなんだという声は一定の合理性をもっていると話す深田先生。

一方で、地方に支持者の多い共和党がこのシステムで勝っているという事は、人口が多い都市部の意向だけが反映されるのではない、うまくできた制度であるという見方もできるそうです。

 

実は、この選挙人を介した間接投票で大統領を決める制度は、アメリカが1776年に独立し1787年にアメリカ合衆国憲法が制定された時からある、極めて古い制度だといいます。

米国という広大な国土に多くの移民が散って暮らしていて、全てのアメリカ人が同じように中央の政治家について知っているということ事態がそもそもあり得なかった・・・そういった中で、それぞれの地域で個々の人々に利益関係がある地元の名士を選出して、その『選挙人』が大統領を決める方がいいだろう、ということだったそうです。

より人々の民意をちゃんと反映する方法として考え出された制度だった、と先生。

 

民主主義と言われる制度においていかにして民意が適切に政治に反映されるかは、この選挙システムの公平さにかかっているといいます。

もちろんアメリカだけの問題ではなく、日本の選挙制度も同じこと。

日本では特に、一票の重さの格差については2009年の衆院選から、国政選挙では5回連続で「違憲状態」と裁判所に判断され続けています。

何が正しい選挙システムか、どうやったら民意がよりよく反映されるのかは、もちろん時代ごとに変わっていきますが、何にせよこの違憲状態がずっと続くという異常な事態については早く改善するべきではないか、先生はそう最後に話されました。

 

 

深田先生、ありがとうございました!

 

 

 

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いかがでしたか?

それでは、EVENING COASTERまた明日夕方17時です!

聞いて下さいね♪