JR宮川駅。
駅前に『えほんと童話の店 みやがわ書店』があります。
オープンは今から65年前。
絵本の専門店になって25年になりました。
今回は、みやがわ書店の店長 橋村孝子さんがお客様です。
みやがわ書店には、エリック・カールさん、かこさとしさん、
まついのりこさんなど多くの絵本作家が訪れています。
いろんな絵本に触れたくて、おはなし会にはたくさんの子供たちが集まってきます。
私が59歳から60歳になる頃に癌になったんです。
それまで、絵本の専門店をするという夢を持っていました。
でも、子供の仕送りがあるから、本意ではない週刊誌や本も販売していました。
ちょうど子どもたちが社会人になって巣立ったときに癌になったのがきっかけで、今、自分の夢を実現しないとと思って、テナントに出ていたのに、思い切って自分の家に来ました。
両親が開いたお店をギャラリーにしてあったので、ここで絵本の専門店をオープンすることにしました。
名古屋から戻ってきたけど、名古屋に勉強に行ったり、絵本を私に教えてくれた立派な先輩たちがいたので。
その一人が『メルヘンハウス』の三輪さんでした。
だから、名古屋に行くということは、絵本の勉強をしに行くことと、自分を鍛えるために通っていました。
せめて5年でもできたら良いと思っていたのが、気づいたら25年もたつんです。
60歳ではじめて、今、85歳です。
本当に良い本を読むと、0歳の子どもでもジッと見てくれるんですね。
訳わからなくても絵を見て、大人の言葉を聞きながら、その年齢なりの想像を働かせます。
だから絶対に赤ちゃんでも絵本は言葉を聞いて、その子なりの想像ができるから、心の栄養になります。
私は、絵本を楽しむための6か条を作っています。
一番はじめに1つは、子どもは絵本の絵を見て喜びます。
だから何回でも同じ本を詠んでほしいと言ってきます。
私が一番申し訳ないと思ったのは、昔息子に、「また今日もこれ?」と言ってしまったこと。
「また今日もこれ」ではなく、「今日も、これを読んでほしい」だと。
今日はどこの絵を探検しようか。
この絵とこの絵はすごく僕好きなんだ。
・・・そんな思いが子どもにはあるのに、大人はそういうことを知らずに、「今日もこれなの?別のにしようよ」と言っちゃうんですね。
本を読んでいる最中に、感想を聞いたり。
自分で読めるでしょう、もう自分で読みなさいよ。
・・・などと、いろいろ親は条件をつけて、なるべく自分で早く読ませようとするんですけど、そうじゃないんですね。
親が読んでくれる絵本の時間は、子どもにとっては至福の時間なんですね。
一番幸せな時間。
その時間を、1日の最後の寝る前でも良いから、ちょっと読んであげると心が穏やかになって眠れるのに、「また今日もこれなの?」「時間割合わせてからね」など、いろいろな条件をつけてからでないと読んであげない親でした。
それはいけないことだったのね。
のちのちわかって、今はお母さんたちに、無償の愛で無条件に読んであげてくださいと話しています