松阪よいほホール。
ここは伊勢街道の宿場町として古くから栄えてきた場所です。
創業100年を超える老舗の店がたくさんあり、松阪が商いの町として発展してきたことがよくわかります。
今回は『駄菓子のあいや』のご主人、吉田正博さんがお客さまです
確かな証拠はありませんが伝え聞いているのは、大正5年ですので、百何年になります。
駄菓子というか、こういうお菓子しか作っていませんでした。
私で三代目になるので、祖父が他所で修行をしてここでお店を開いたときのお菓子が今もあります。
文化遺産的なところもありますが、昔ながらの方法で作り続けているという感じですかね。
年配の方は、最初に来たときに発するのが「懐かしい」という言葉ですね。
いろいろ作っていましたが、昔から『飴屋さん』というイメージが強いみたいです。
うちの場合は季節感がないんですよ。
一年中通して同じものを置いているというか。
ですから売上も夏と冬では若干差が出てきます。
季節感を出せていないというのがデメリットですね。
飴と麦焦がしを使ったお菓子が、ウチのメインとなっています。
3点ほどありますが、それを目的に来てくださるお客様もいます。
感覚的にいうと、水飴と砂糖と麦焦がし...非常にシンプルなもので作っているのが特徴ですね。
このままずっと続けていきたいですね、できる限り。
菓子工業組合というのがあるんですけど、いっときに比べて組合員の数が減ってきています。
昔は和菓子をやっていたのに、洋菓子に転向した方もいます。
消費者ニーズを考えると洋菓子のほうが多いのかな、と感じます。
我々の感覚的ですけどね。
数字を掴んでいないんですけど、そんな風に感じます。
たぶん、どんどんそっちの方にシフトしてしまう。
そうするとこういうのがなくなってしまう、となるのかなと。
生活できなくなってしまうのも困りますけど、一回なくなってしまうと、次にもう一度作るって、なかなかできないですよね。
文化的なもの、何でもそうなんですけど。
そうならないためには、細々でも続けていくほうが良いのかな、と考えています。