飯南局舎 和み

松阪市飯南町。旧和歌山街道に素敵な洋館があります。
元々は郵便局だった建物。国の有形文化財にも登録されました。
今はギャラリーとして使われています。
今回は『飯南局舎 和み』の館長、垣本和美さんがお客様です。

洋館を見つけて気に入り、購入した。丸い柱が気に入った
案外、車がたくさん通ってにぎやかな場所だったらしいですよ。
伊勢に向かう旅人も、たくさん通られたのかな...と、思います。
こちらは昭和7年に建てられた建物となります。
鉄筋で洋館建ての郵便局であったということで、大変モダンな郵便局でした。
私も、もともとこういう洋館が好きでしたので、見たときは「すごいな!」と思いました。
飯高の方に家族で行くことがあり、そのときに通りがかったところ、ここが蔦が絡んでいて、このまま朽ちていくような感じに見えました。
こんな建物がどうなるのかと心配になっていたら『売り家』の看板が出ていたんです。
この建物が売っているの!?
そう思い、家族と相談したところ、良いね、となって。
建物も素敵だし、ちょっと中を覗いたら、丸い柱が見えたんです。
これはすごいな、と思い、気に入ってしまいました。
平成元年までは郵便局で、その後は縫製工場になっていたそうです。
ですから床は上がっているし、ドアもだいぶ傷んでいました。
壁も落ちていたりとかしていたので、それは直しました。
後藤勝美さんの絵を中心に飾らせていただいています。
後藤先生とは前の職場でお会いしまして、ここの絵も描いていただきました。
それから1年くらいしてから亡くなってしまいました。
描いていただいているときも、癌だとは聞いていました。
後藤先生が、絵を描いてから、「綺麗になったらコーヒーを飲みに行くね」と言っていただいたんですよ。
ここは喫茶店と違うよ、と言って笑っていました。
結局、先生は来ることができませんでしたが、せめて絵だけでも飾りたいなということで、だいたい3ヶ月ごとに絵を変えて展示しています。
ときどき、この頃は『寺子屋』という形で、先生に来てもらって歴史の話を聞かせてもらっています。
それと昭和7年の建物で、90周年ということで、ここでコンサート、90周年を祝う演奏会を、春と秋に開催しました。
ビオラを演奏してくださっている岩井先生が、ここは鉄筋で響きも良いということで、演奏をしやすいと言ってもらいました。
いつも楽しく聴かせてもらっています。

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