津市の中心部から、少し歩いた静かな通り。
人の往来も落ち着いた一角に、小さな靴の修理屋さん「Y's工房」があります。扉を開けると、ふわりと漂う革の香り。山中裕之さんが今日のお客様です。
長年、靴と向き合ってきたその手は、驚くほど優しく、そして確かな力を持っています。
靴を"モノ"ではなく、"人生をともに歩く相棒"として見つめる温かさがあります。
「おじいちゃんの靴を直してほしい」
「おばあちゃんのカバンをもう一度使いたい」
古いけれど、思い出が詰まった大切なもの。
それを、もう一度"今"の暮らしの中で生かしていきます。
ちょっとした傷も、歩き方の癖も、すべてを受け止め、納得いくまで丁寧に手を入れる。
長い時間を歩いてきた靴に、もう一度、新しい光を吹き込みます。
靴は、歩んだ日々を刻む証。
磨かれたその先に、また新たな道が拓ける。
津市 Y's工房 山中裕之さん